「○○さん、すごくかっこよくなりましたよね!本当に素敵!」初めて入れ歯を入れたご本人に、お友達が思わずかけてしまった言葉でした。言われた方は照れていましたが、とても良い笑顔を返していました。相手の表情と声に、本心を感じられたからだと思います。

この記事では入れ歯の違和感、センシティブな問題、食事の工夫、早めの決断の重要性、そして当院のロケーター付き入れ歯の特徴まで、様々な角度から入れ歯の真実をご紹介します。適切なケアと情報で、あなたの入れ歯ライフを快適に過ごしましょう。

 

入れ歯ビギナーは不安と異物感がいっぱい。初めから自分の歯と同じようには使えませんが、歯科医院とタッグを組めば大丈夫です。

 

むし歯で詰め物や被せものをしても、初めは違和感があります。それらよりもっと大きな入れ歯は、違和感が何倍も何十倍も大きいのです。

入れ歯を入れたら、歯があったときと同じようになると思っていた方にはショックでしょうが、歯科医院とタッグを組んで焦らず慣らしていってください。

痛い、ずれる、しゃべりづらいなどと使わなくなると、入れ歯が合わなくなる可能性があります。歯が無い部分の隣の歯が倒れてきたり、噛み合わせが悪くなってぐらつきが出てしまったりするのです。残っている健康な歯に悪い影響が出てしまいます。

でも、一人で我慢しているばかりでは、頑張る気力は無くなります。当たって痛かったり、ずれてしまうようであれば歯科医院で調整してもらうようにしてください。

人口歯(入れ歯の歯)の高さや粘膜(歯ぐき部分や上あご)が当たる、気になる部分などを調整します。ほんの少し高さを変えるだけで、感じ方は変わります。

しゃべりづらいときも相談してください。人によって言いづらい言葉や音に違いがあるようです。自然な話し方になるよう、トレーニング方法などアドバイスをいたします。

 

入れ歯はセンシティブな問題です。当院では入れ歯の調整だけでなく、気持ちの安定にも一役買います。

当院では、完成した入れ歯をセットした後も何度もチェックに来ていただいています。普段の生活で使った時に、高さ、噛み合わせ、違和感の大きさを伺い、ご自分での装着や取り外し方のチェックして調整いたします。

どこがどのように不便なのかを知るためにも、毎日使っていただきたいです。

入れ歯自体の調整だけでなく、センシティブなお悩みにも寄り添います。急に年を取った気がして感情が不安定になる方、抜歯がいやな方、入れ歯を家族にも知られたくない方もいます。

人に言えない辛さを歯科医院で相談して、解決の糸口を見つけることもできます。辛い気持ちを口にするだけでも、気持ちが楽になることがあります。
少しずつ不安を取り除いて、入れ歯を受け入れられるようにしていくことも、歯科医医の役割なのです。

 

食べづらいという方が多くいます。入れ歯にすると噛む力は、30%以下になると言われていますが、工夫次第でおいしく食べられます。

入れ歯上級者は、お肉やナッツも上手においしく召し上がっています。入れ歯で食べにくいものには、ガム、お餅、硬いおせんべいなどが挙げられますが、他にも隠れ食べづらい食材がいます。

  • 薄切り肉や葉物野菜などの薄いもの
  • こんにゃくなどの弾力のあるもの

イチゴやトマトなど小さい種のあるものなどです。

これらは食べる練習も必要ですが、このように乗り越えることも出来ます。

食物の切り方を工夫する→野菜や果物は今までより小さく切る(細かくしすぎるとかえって食べづらくなります)、こんにゃくやお肉などは隠し包丁を入れる

調理方法を工夫する→焼くより煮る、葉物野菜など薄い物はくるくる巻く、とろみを付けるなどがあります。

また、入れ歯安定剤を利用することも良い方法です。イチゴの種などの小さなものが歯と入れ歯の隙間に入るのを防止をしたり、密着させることで入れ歯のずれを防ぎます。

 

入れ歯の決断は早めがお勧めです。残っている歯が多い方が自然で使いやすい入れ歯ができます。

入れ歯と聞くと老けたような気になってしまい気が進みませんよね。
でも、そのまま長く悩んでしまい自分の歯がどんどん少なくなってくると、入れ歯はどんどん大きくなっていきます。それだけではありません、作る工程も増えて時間もかかってしまいます。

早めに決断すると、自然で使いやすい入れ歯が作れます。残った健康な歯を基準にできるので、ちょうどいい高さや噛み合わせがわかるからです。

しかし、ほとんど自分の歯がない場合、噛み合わせや歯の大きさ、高さを歯科医師や技工士がシミュレーションして作ることになります。それを何度もお口に合わせ、患者様の感覚や見た目を確認して作っていくのです。けれど何度も確認したからと言って、違和感はすぐにはぬぐえません。

入れ歯は修理をして使い続けられます。歯が無くなってしまったら、そのままにせず早めにご相談ください。残った歯があるからと放っておくなど、適切な処置を遅らせることはお勧めしません。

 

当院では、機能的にも審美的にも優れているロケーター付き入れ歯が好評です。

当院では、金属床・レジン床と呼ばれる入れ歯の他、ロケーター付き入れ歯を取り扱っています。これは、自分の残った歯やインプラントなどと、装着する入れ歯に洋服のホックのようなものをつけて、お互いをパッチンと止める安定性の良い入れ歯です。

簡単に作製のステップをご説明します。

抜歯後、歯がない期間を少なくするために、なるべく早くトライアル入れ歯を作ります。

トライアル入れ歯とは、自分にピッタリ合う入れ歯を作るために、色々修正するための入れ歯です。トライアルと言っても、ほとんど最終的な自分の入れ歯と同じで、ロケーターも装着します。

これを使って、高さや噛み合わせの調整をしながら、患者様ご自身にもフィット感や唇のふくらみ具合、舌の当たる感覚を試していただきます。
患者様のご意見を聞きながら、医療的な立場からの意見もお話して、より良い入れ歯を一緒に作っていきます。

トライアル義歯がしっくりくるようになったら、最終的な入れ歯を作ります。トライアル入れ歯で使い方の練習もしているので、ほとんど違和感なくお使いいただけるようです。

もっと詳しく知りたい方は、こちらをご一読ください。→「がたつかない「ロケーター付入れ歯」で食事や会話が快適になります。」

 

入れ歯を自分のものにできると、今まで以上に元気になれます。

冒頭の「○○さん、すごくかっこよくなりましたよね!」この言葉にすべてが詰まっていると思います。入れ歯のことを、付けているご本人に言うなんてほとんどないですよね。

けれどもこの時は、待合室に誰もいなかったことや、ご友人ということもあったのでしょう。言わずにいられなかった「素敵になった事実」を思わず伝えてしまったという感じでした。

実は私自身も「ダンディに進化した!」と思っていたので、よくぞ言ってくれた!と思ってしまいました。

入れ歯は慣れるまでは大変です。話すのも、食べるのも、装着や取り出しにも練習が必要だし、自分のお口にぴったりくるまで調整も必要です。けれども、入れ歯が自分にぴったり合うと、今まで通り自然になってきます。

おいしく食べられる、お口をあけて笑える、普通におしゃべりができる、カラオケができる。これらは、生活を豊かにします。元気な毎日が過ごせることは、想像以上に幸せなことなのです。

参照

はじめよう!やってみよう!口腔ケア

日本訪問歯科協会

実になる話

いーでんたるへるす

 

あおき矯正歯科